1960~70年代当時の在日人口の実に6.5人に1人が北朝鮮に渡る民族大移動となりました。日本社会では、自民党から社会党、共産党までの政党が賛成し、多くの政治家や、地方自治体、労働組合、マスコミ、文化人が協力、いわば、日本社会全体で93,939人の背中を押して北朝鮮に送り出したと言えます。
しかし残念なことに、帰国した在日朝鮮人が北朝鮮でどのような生を送ったのか、詳細はほとんど不明のままです。帰国者の大半は外国に出国することはおろか、日本の親族・知人と自由な意思疎通が許されなかったからです。消息が不明になった帰国者も大勢います。
(出典 『北朝鮮帰国事業関係資料集』新幹社)